テレワークと離職の関係について
テレワークの急速な普及は、離職率にどんな影響を与えたのか、テレワーク導入による職場環境の変化、離職への影響、対策法についてお伝えしています。
急速なテレワークの普及による職場環境の変化
昨今、新型コロナウイルスによる世界的パンデミックによって、生活や働き方にも大きな変化が生まれました。その最たる変化とも言えるのが、テレワークの普及です。
東京都のテレワーク実施率
- 2020年3月:24%
- 2021年3月:56.4%
- 2021年5月:64.8%
※2021年5月時点でのデータ
参照元:東京都産業労働局(https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/06/03/03.html)
東京都産業労働局の調べによると、東京都のテレワーク実施率は2020年時点で24%だったのに対し、1年3ヶ月後の2021年5月時点では、約3倍もの64.8%に急増しています。2021年3月、緊急事態宣言下においても、半数以上の企業がテレワークを行っていたことがわかります。
テレワークの普及によって、社員はより柔軟な働き方ができるようになり、企業も今まで気付けなかった仕事の効率化や、生産性の向上を実現できるようになりました。
しかし、その一方で「テレワークがつらい」という声もあり、離職の原因になるケースもあります。
テレワークの普及によって、どんな問題が生まれたのでしょうか?
テレワークの普及による弊害
コミュニケーション不足によりメンタルが不安定に…
一人で効率的に仕事に取り組める反面、テレワークは、社内のコミュニケーションに大きな弊害をもたらしています。非対面でのコミュニケーションは、相手の気持ちを察しにくく、うまく意思疎通をできないことが、ストレスになります。不安から「仕事をサボっていると疑われていないか」「公平に評価してもらえているか」と疑心暗鬼になり、離職のきっかけとなるケースも。
今まで当然のようにあったコミュニケーションが突然なくなることで、とくに単身の社員は寂しさが募り、仕事へのモチベーションが低下する、といったケースも多くあります。
運動不足による健康上の問題
テレワークの普及によって家から出なくなる日が多くなると、生活習慣の乱れや、体調不良が起きやすくなります。実際にテレワークになってから、肥満、肩こり、腰痛などの不調に悩む人は、実に多くいます。また、運動不足が続けばメンタルの不調を招くきっかけにも。家から出ない、日光を浴びない生活によって「コロナうつ」になり、離職へつながることもあります。
まとめ:テレワーク環境を改めて見直す
テレワークを実施する企業の中には、勤務地以外や海外でのテレワークを認めるところもあります。そうした取り組みで優秀な人材の流出を防げる一方、テレワークからのメンタル不調が離職につながるケースもあります。現在は多くの企業が、コロナ禍による急ごしらえのテレワーク対応といった状態。改めてリモート環境の整備を行い、円滑なコミュニケーションの取り方を確立することで、離職率は下げられるでしょう。