社員が相次いで退職。退職連鎖の原因とその対策方法
退職連鎖とは、一人の退職をきっかけに、社員が次々と辞めていく状況のことを言います。そのせいで人手不足に陥ったり、最悪の場合は、倒産を招くリスクもあるので、企業としては何としてでも食い止めたいところです。ここでは、退職連鎖はなぜ起こるのか、退職連鎖が起きるケース、主な原因、企業にもたらすリスク、防止するための施策をご紹介します。
退職連鎖が起きるケースとは
退職連鎖には、大きく分けて次の2つのパターンがあります。
ドミノ倒し型
- すでに多くの社員が辞めたいと思っている
- 退職によって他の社員への負担が増大した
過酷な労働環境などが原因で、すでに辞めたいと思っている社員が複数いる場合、一人の退職をきっかけに、退職連鎖が起きることがあります。人手不足の企業では、退職によって他の社員への負担が増大することでも、起きやすくなります。
蜂の一穴型
- 退職によって企業が抱えていた問題点が明るみに出る
- 優秀な上司が辞めることで不信感が募る
人事制度、給与、コンプライアンスに関することなど、退職によって問題点が明るみに出ることで、離職が相次ぐケースもあります。部下から信頼の厚い上司が辞めた場合も、会社に問題があるのでは?と、不信感を持たれることがあります。
社員が次々に辞めてしまう…
退職連鎖が起きる4つの原因
退職連鎖の原因1:働き続けることが困難な職場環境
退職の連鎖が起きる企業は、労働環境に大きな問題があるケースがあります。長時間労働やサービス残業が当たり前、上司が帰らないと帰れない、有給が取れない、給料が安過ぎる…など。いわゆるブラック企業は、一人の退職をきっかけに、退職連鎖が起きやすくなります。セクハラ、パワハラ、いじめなどの問題があった場合も、多数の社員の離職を招く可能性があります。
退職連鎖の原因2:影響力を持つ優秀な社員の退職
チーム単位で仕事を行う企業では、役職を持つ社員や、影響力の高い優秀な社員が辞めることで、退職が連鎖しやすくなります。その人に信頼を寄せていた社員にとって、彼らの退職は大きな衝撃となるもの。「あの人がいないなら、この会社にいる意味がない」と、中には早々と辞表を出す人も。また、管理職や経理担当など、会社の内情を知る立場の社員が退職すると、「会社に将来性がないのでは?」「待遇が悪いのでは?」と不信感を持たれ、退職連鎖につながることがあります。
退職連鎖の原因3:職場の雰囲気が悪くなった
明るく誰とでも気さくに話せるようなムードメーカー的な社員が退職すると、職場の雰囲気が大きく変わります。人間関係とは不思議なもので、一人のコミュニケーション能力の高さによって、グループの調和が保たれていることがあります。そういった場合、中心的な人物が抜けると、急に会話がなくなったり、チームの雰囲気が悪くなることも。仲間が退職した寂しさも相まって、離職を考え始める人もいます。
退職連鎖の原因4:人手不足で負荷が増える
採用難の現在は、社員が退職すると人材の確保に時間がかかります。今まで通り、仕事を回せなくなったり、人手不足の状態が続けば、部署全体がギリギリの状況に…。残業の多さや、負担の大きさに耐えられず、見切りをつける人もいます。
退職の連鎖が起きるとどうなるのか?
退職連鎖には、単なる離職率の増加とは違った恐さがあります。退職の連鎖が起きると、下記のリスクが発生します。
倒産リスクが高まる
複数社員がまとめて退職することで、人手不足に陥ることがあり、倒産リスクが高まります。現在は、求人数よりも応募者の方が少ない売り手市場。競争率の高い人気企業ならまだしも、一般的な企業で、優秀な人材を何名も確保するとなると、多大な時間とコストがかかります。その間は、生産性も低下し、収益が大幅に落ち込んだり、退職者の数によっては、業務の続行が不可能になるケースも。とくにサービス業や建設業では、近年、人手不足による倒産も増えています。
参照元:帝国データバンク(https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p200404.html)
社員一人ひとりの負担が大きくなる
退職連鎖が起きると、残った社員の負担も大きくなります。引き継ぎ業務に追われたり、穴が空いた分の仕事も、少ない人数で回さなければなりません。中には、到底こなせないような量の業務を押し付けられたり、「これ以上辞められたら困る」と、会社から退職しないようプレッシャーをかけられるケースも。心身ともに大きな負担がかかり、それがさらなる離職を招く可能性もあります。
退職連鎖を食い止めるための対策
- 内部改善を図り、一人でも退職者を減らす
- 相談しやすい風通しの良い職場環境を整える
- 優秀な人材を定着させる
退職連鎖を食い止めるには、離職同様、会社の内部改善を行い、一人でも退職者を減らすことが大切です。労働環境や、評価制度を見直したり、社員の不安・不満をいち早く察知するには、風通しの良い環境に整備しておく必要もあります。また、優秀な人材を定着させることも、退職連鎖の防止に効果的です。成果を上げ続ける優秀な社員、人望の厚い管理職などが、長く働きたいと思う環境を作り、企業の人材の定着率を高めましょう。
影響力がある人物の離職を防ぐことはもちろんですが、外的要因に影響されず、自発的に取り組める人材を育成していくことも企業としては欠かせないミッションです。ここでは、人材を育成のプログラムを提供しているハートアンドブレインについてご紹介します。
と不満を言うことに貴重な時間を使ってはならない。そんなのはまったくの時間の無駄だ。
問うべきは、「どうすればうまくいくか?」
これなら答えが見つかる。
Why doesn't it work? and should not spend their precious time complaining. That is a complete waste of time. The question we should be asking is, "How can we make it work?" This will help you find the answer.