離職率が高い問題点とは?企業に及ぼす影響
昨今、日本では終身雇用の衰退や、転職に対する意識の変化などにより、人材の流動性が高まっています。厚生労働省の調査によると、2020年度の離職率は14.2%で、入職率の13.9%※1を上回っています。
中でも問題視されているのが、若年層〜中堅層の離職が増えていることです。2013年時点の厚生労働省の「若年層雇用実態調査」では、若年労働者の定着のために何かしらの策を実施している企業は、実に70.5%※2にも及びます。にも関わらず、若年層〜中堅層の離職は、近年、まだ圧倒的に多い実態があります。
※1(参照元:厚生労働省 入職と離職の推移_PDFhttps://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/21-2/dl/kekka_gaiyo-01.pdf) ※2(参照元:若年層雇用実態調査_PDFhttps://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/4-21c-jyakunenkoyou-h25_gaikyou.pdf)
2019年度 年齢階級別転職者比率
- 総数:5.2%
- 15-24歳:12.3%
- 25-34歳:7.8%
- 35-44歳:4.7%
- 45-54歳:3.6%
- 55-64歳:4.4%
参照元:総務省「年齢階級別転職者数及び転職者比率」(https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/4hanki/dt/index.html)
これらの調査からも、離職率の高さに悩みを抱える企業が、多いことがわかります。離職率が高まると、企業にどんな影響を与えるのでしょうか?採用時、上場審査時、コスト面などの問題点や、企業に及ぼすリスクをまとめました。
離職率の高さが企業にもたらす影響・リスクとは?
5つの問題点
問題1:求職者から「ブラック企業」と認識されやすい
離職率が高いと、求人の際にブラック企業と認識されやすくなります。就活生1,650人に行ったアンケート調査では「入社3年以内の離職率が、3割を超えるとブラック企業だと思う」と回答しているデータもあります。
参照元:株式会社ディスコ_PDF(https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2014/04/blackkigyo2014.pdf)
ブラック企業と認識されてしまうと、応募者が減ったり、複数の内定を持っている人からは、辞退されるケースも…。今は、求人数に対して応募がはるかに少ない採用難の時代。人材の採用が厳しくなることは、企業活動にも支障をきたします。
問題2:人材不足に陥りやすい
離職者が出れば、その分の新たな人材が必要になります。とは言っても、前述した通り、すでに離職率が高い企業は、人が集まりにくく、人材確保が困難な状態に…。すぐに代わりの人材を見つけることが難しくなり、人材不足に陥りやすくなります。
問題3:人事担当の責任問題になる
離職率の高さの原因はさまざまですが、一般的には離職が増えると、人事担当の責任が問われる傾向があります。新卒や中途採用においても「人材を見極められなかったのが悪い」と各部署から言われ、担当者のモチベーションが下がってしまうことも。
採用してもすぐに辞めてしまう事態が頻繁に起こると、社内全体が人材の採用に非協力的な雰囲気になることもあります。
問題4:採用や教育にコストがかかる
離職が増えれば採用サイクルが早くなり、その分、人材採用や教育にコストがかかります。少子化が進む日本では、社員1人の採用コストは、年々上がっています。例えば、求人広告の掲載費の相場は数十万円程度、人材紹介では採用者1人につき100万円近くかかるのです。
さらに入社後は、研修、OJTと、育成コストもバカになりません。OJT期間は、部署の生産性が下がるため、教育に携わる社員の人件費など、経費ばかりが積み重なります。やっと仕事を覚えたところで辞められてしまった場合、これらのコストが全て無駄になるのも大きな問題です。
問題5:上場審査の際に不利になる
離職率の高さは、上場審査の際にも問題視されます。
IPO審査で離職率が重視される理由
- 離職率が高いと、採用コストやブランディングにも影響するため
- 上場企業にふさわしい組織・人事制度かどうか(人材の確保、定着、育成、評価処等について合理的な仕組みがあるか)を見られるため
- 労働人口減少により採用難易度が上昇、人材の安定=売上の安定に繋がるから
- 株式公開時に、平均勤続年数の低さと離職率の高さは問題視されるため
このように、離職率が高い企業は「経営に問題がある」「人材管理ができていない」とみなされてしまうのです。投資家たちからの印象が悪いため、資金調達もしにくくなってしまうでしょう。
まとめ:離職防止は、最重要課題として取り組むべき
離職率が高いと、ブラック企業と認識されたり、採用や育成に多額のコストがかかる、人材不足に陥る、上場審査で不利になるなど、様々な問題が発生します。人材の定着率が低下し続ければ、企業の成長性にも悪影響を与えます。
こういった事態にならないためにも、離職防止には最重要課題として取り組むべきといえるでしょう。離職防止専門のコンサルティングなどもあるので、そういったプログラムなども利用して、早期に対策をはじめましょう。

離職防止プログラムを導入後、離職率が1/3にまで低下した事例や、新人の早期離職をゼロにした実績をもつプログラム、提供しているコンサル会社についてご紹介します。