COLUMN|離職について考える
営業マンの離職率が高い理由
数ある職種の中でも、離職率が高いと言われているのが、営業職です。なぜ営業マンは辞めてしまうのか、階層別に主な理由、ケース別の対策方法など、離職に関するコラムをまとめて掲載しています。
新人営業マンがすぐ辞める理由
- テレアポ・飛び込み営業がつらい
- 日々のノルマがストレス
- 成績が上がらない
- ルート営業にやりがいを感じない
- 結果だけで判断されるのが嫌
- 商材に自信が持てない
- 体育会系の職場で上下関係が厳しい
- 残業や休日出勤が多い
- 職場の人間関係が悪い など
新人営業マンの離職は、主に「営業のつらさ」「仕事への不満」が大半と考えられます。これらの不満が生まれるのは、成績が上がらないためでしょう。教育や研修プログラムを見直し、早期戦力となる新人を育成することで、離職率は改善できる可能性があります。
中堅営業マンが辞める理由
- 正しい評価がされない
- やりがいを感じられなくなった
- これ以上、成長できない
- 出世の見込みが薄い
- 将来性のない会社に不安がある
- 仕事がわりに合わない
- 他の会社から誘いがある など
中堅営業マンの離職は、「モチベーションの低下」が要因になっているようです。仕事がまんねり化していたり、パフォーマンスの低下、評価への不満から、転職を考え始める社員も。改めて評価制度を見直したり、外部研修、面談、社内イベントなどを実施して対策すると良いかもしれません。
優秀な社員ほど辞めていく理由
- 自己成長にストイック、より良い環境があれば辞める
- 会社にしがみつくという志向がない
- 優秀な人ほど仕事が増える
- 業務過多によりワークライフバランスが崩れる
- 人事評価に不満がある
- これ以上成長できる機会がない
- 会社の将来性・これからの方針が見えない
優秀な営業マンが辞めていく理由には、上記のものが挙げられます。優秀な人ほど、自己成長にストイックでより良い環境があれば辞めていきます。労働条件、評価制度、情報の共有など、企業の根本的な構造改革を行い、優秀な人材の離職を防ぐことが大切です。
離職に関するコラム一覧
優秀な営業マンが辞める前にみせる兆候とは?
普段は、積極的な営業マンが、改善案や不満を言わなくなったり、新しい仕事に興味を示さない場合は、すでに離職を決めている可能性も。急な外出や半休が増えるなど、ルーティンの変化にも注意が必要です。
離職率が高い問題点とは?企業に及ぼす影響
離職率が高くなると、求職者からブラック企業と認識されやすい、人材不足に陥りやすい、多額の採用・教育コストがかかる、上場審査時に不利になるなどの問題も。企業の成長性に多大な悪影響を与えます。
人が定着しない職場とは?
社員が定着しない職場の特徴には、採用時のミスマッチ、労働条件(残業が多いなど)、職場環境(人間関係など)、企業の風土に問題があることが挙げられます。自社の課題を洗い出し、改善することが、離職防止への近道です。
管理職が辞める会社の特徴とは?及ぼす影響
管理職の離職は、生産性の低下、退職連鎖を招くなど、企業への打撃が大きくなります。管理職の業務範囲が広過ぎたり、評価制度に問題があるケースが多いので、改めてこれらの見直しを行いましょう。
社員が相次いで退職。退職連鎖の原因とその対策方法
退職連鎖の主な原因は、過酷な労働環境や、影響力を持つ優秀な社員の退職が挙げられます。食い止めるには、会社の内部改善を行い、一人でも退職者を減らす、優秀な人材を定着させることが必要。
社員が相次いで退職。
退職連鎖の原因とその対策方法について詳しく
離職防止のための施策・トレンドを調査
離職率増加の現状や、企業が行う離職防止の事例、離職防止ツール、研修プログラム、離職防止に役立つ書籍をまとめて紹介。自社の離職防止対策に役立ててみて下さい。
テレワークと離職の関係について
在宅勤務が可能になったことで、優秀な人材の流出を防げる一方、テレワークからのメンタル不調、コミュニケーション不足が、離職につながるケースも。企業は、改めてリモート環境の整備を行いたいところ。
働き方改革と離職の関係について
時短勤務、フレックス、テレワークなど、柔軟な働き方を認める「働き方改革」への取り組みは、離職防止にも効果的です。社員の満足度が高まることで人材が定着し、仕事への意欲が向上するメリットも。
リテンションマネジメントの効果的な施策とは?
優秀な人材の離職を防止するリテンションマネジメントでは、職場環境の改善と人材育成が必要。自社の課題を客観的に分析することが重要となるので、ES調査などの外部プログラムを導入するのもおすすめです。
離職防止ツールとは
従業員の早期退職を防止して定着率を向上させるために、エンゲージメントの可視化、モチベーション向上の為の仕組みづくりなどが必要になります。そして、これらの業務を効率よく実施するために役立つのが「離職防止ツール」です。また、これらのツールの持つ機能を、総合的な人材マネジメントシステムの一環として展開しているものもあります。
エンゲージメントの向上
エンゲージメントの向上には、さまざまなメリットがあります。これまでの勘や経験など定性情報に基づいた人事戦略では、高い実効性が得られにくい傾向にありました。しかし、エンゲージメントの測定により、従業員の状況を数値で可視化することで得られる定量情報を基に立案した施策によって、人事施策の実行性を高めることができます。
業務適性
業務適性とは、業務の内容と従業員の性格やスキルのマッチング度を示す言葉です。その人が業務に向いているか向いていないかを指す言葉で、業務が好きか嫌いというわけではありません。そのため業務定性があるからといって、その業務を本人が「好きである」というのとは違います。
反対に、業務が「嫌いである」からといっても業務適性がない、ということではありません。また、予見できる状態であれば「業務適性がある」が判断でき、一方で基準を下回ったり、今後の可能性が予見できなかったりすると「業務適正がない」と判断されることがあります。
社内通貨
従業員のモチベーションの向上や会社の課題解決などに繋げられる社内通貨。「社内ポイント制度」とも呼ばれており、ポイントを貯めることによって会社が用意している特典との交換やインセンティブとして与えられるといった形で運用されています。この社内通貨のシステムを導入することにより、社内コミュニケーションの促進などさまざまなメリットが得られると考えられます。
オンボーディング
新入社員の早期退職を防ぎ定着率を高める効果のあるオンボーディングは、人材不足が謳われる今、新卒社員に対しても中途採用の社員に対しても非常に重要な取り組みです。導入プロセスやポイントを理解し、効果的なオンボーディングを実施しましょう。
ブラザー シスター制度
新入社員の早期離職防止は、多くの企業にとって共通の課題です。導入する企業が増えているのがブラザー・シスター制度です。新入社員に対して、年齢の近い先輩社員を指導係としてつけます。業務指導はもちろん、社会生活の悩みまでサポートするのが特徴です。しかし、指導役の負担や相性によっては制度が機能しないリスクもあります。
リファラル採用
リファラル採用は自社の社員に協力を仰いで、採用候補者として友人・知人を紹介してもらう採用方法です。縁故採用とは異なり、候補者は通常の選考フローで決定します。
ミスマッチを防止し、社員の離職防止対策にもつながる方法ですが、社員の協力が必要不可欠な採用方法のため、しっかりと制度を作り周知しなければ効果的に実施できません。社員が協力したいと思えるような仕組みづくりや、エンゲージメント向上も求められます。
レジリエンス
ビジネスシーンにおけるレジリエンスの意味は、仕事の進行や職場環境の中で受けるストレスからのメンタルの回復力や臨機応変な対応力のことを指し、レジリエンスを高めていくことが、社会問題である離職率の増加やメンタルヘルス対応の改善につながるとして注目されつつあり、個人のみならず組織にとってもメリットが大きいと期待されています。
離職率防止にも活用できるキャリアアンカーとは?
キャリアアンカーとは「仕事において何を最も大切にしているのか」といった価値観を示すものです。このキャリアアンカーをしっかりと把握すると、「仕事に何を求めているのか」「どういった働き方をしたいのか」といったことがわかるため、満足できる働き方を選べるようになります。さらに、企業でも人事配置や採用にこのキャリアアンカーを活用することができます。
離職率防止にも活用できる
キャリアアンカーとは?
について詳しく
モチベーションアップの方法
モチベーションとは、動機付けや目的意識を指します。動機付けには、内発的動機付けと外発的動機付けの2種類があります。
内発的動機付けは、「興味があるから調べる」といった具合に、自分の内面から生まれる動機です。一方、外発的動機付けは、「給与を上げたいからする」など、外部的な要因から生まれる動機を指します。
社員のモチベーションを上げるためには、内発的動機付けを引き出せるよう、環境や人事評価を見直すことが重要です。
コンピテンシー
コンピテンシーとは、高い成果を出している人材に共通して見られる行動特性のことを言います。人事評価や採用によい影響を与えたり、離職しにくい人材を確保できる確率も高まったりするのがメリットです。デメリットは、項目の設定に時間がかかりやすかったり定期的な更新が必要だったりする点です。
コンピテンシーは採用面接や人事評価などで活用できるのが特徴に挙げられます。
ジュニアボード制度
ジュニアボード制度とは、若手社員や中堅社員による疑似役員会のことです。1930年にアメリカで生まれた制度で、若手社員・中堅社員に経営課題を議論させることで、経営人材の育成や、企業改革などの効果が得られます。
また、普段経営から縁遠い社員が経営問題に取り組むことで、広い視野で会社の事業を見ることができるようになり、日々の業務への考え方にも変化が期待できます。「経営に携わっている」という意識を持つことでモチベーション向上につながり、離職防止にも効果を発揮するでしょう。
日本企業の離職率増加の現状
現在、日本企業が抱えている課題のひとつが、離職率の増加です。厚生労働省の調べによると、2020年度時点での離職率と入職率の推移は、下記になります。
離職率と入職率の推移 ※2020年度時点
- 2012年:離職率14.8% 入職率14.8%
- 2014年:離職率15.5% 入職率17.3%
- 2016年:離職率15.0% 入職率15.9%
- 2018年:離職率14.6% 入職率15.4%
- 2020年:離職率14.2% 入職率13.9%
企業の成長に欠かせない「若年層~中堅層」の離職が増加
2012年以降、入職率が離職率を上回っていたのに対して、2020年時点では、離職率が入職率を上回っています。昨今、日本では終身雇用の衰退や、転職に対する意識の変化などにより、人材の流動性が高まっています。中でも、年齢別に見ると、企業の成長に欠かせない「若年層~中堅層」の離職が増えているのです。
年齢階級別転職者比率 ※2018年〜2019年度の推移
- 総数:(2018年)4.9%、(2019年)5.2%
- 15-24歳:(2018年)11.3%、(2019年)12.3%
- 25-34歳:(2018年)7.0%、(2019年)7.8%
- 35-44歳:(2018年)4.5%、(2019年)4.7%
- 45-54歳:(2018年)3.6%、(2019年)3.6%
- 55-64歳:(2018年)4.3%、(2019年)4.4%
こちらは、2018年〜2019年度の1年間の年齢階級別転職者比率を抜粋したものです。転職者の全体数が0.3%増加しているのに対して、15-24歳は1%、25-34歳は0.8%と、総数の約3倍近くも、転職者が増えています。
そのため、「教育に時間をかけても、すぐ辞められてしまう」「企業の将来を担う経営陣がいない」といった事態が起こっているのです。
職種別の離職率を調査※平成30年時点のデータ
- 宿泊業・飲食サービス業:26.9%
- 生活関連サービス業・娯楽業:23.9%
- サービス業:19.9%
- 教育・学習支援業:16.6%
- 医療・福祉:15.5%
- 不動産業:13.7%
- 卸売業・小売業:12.9%
- 情報通信業:11.8% 他