人が定着しない職場とは?
「新人がすぐに辞めてしまう」「仕事を覚えた社員が辞めていく」「無実績社員ばかりが残っている」など、社員が定着しないことに頭を抱える企業は多くあります。人材が定着しないと、育成にばかり手がかかり、生産性は低下し、企業の成長性にも影響を与えます。結果、顧客サービスが低下し、残業が増えて、また社員が辞めていく…と悪循環を起こすケースも。
ここでは、なぜ日本企業は社員の定着率が低いのか、人が定着しない職場の特徴、原因チェック表、対策方法について紹介しています。
社員が定着しない職場の特徴
社員が定着しない職場には、主に以下の特徴があります。
- 採用時のミスマッチが多い
- 残業が多いなど、労働条件に問題がある
- 人間関係など、職場環境に問題がある
- 企業の風土に問題がある
人材の定着率を高めるには、これらの自社の問題点を見つけることが先決です。社員の定着率の低い職場には、どんな問題点や原因があるのか、下記にCHECK表を作成しました。該当する項目がないか、チェックしてみて下さい。
あなたの会社は大丈夫?
社員の定着率が低い原因をCHECK
採用のミスマッチ
求人票、就職面談、自社HP、教育研修 など
- 入社後3年以内に辞める社員が多い
- 求人票を何年も見直していない
- 自社のHPが古いまま、更新されていない
- HPに職場の雰囲気や社風を掲載していない
- 書類選考をしていない
- 面接の回数が他社に比べて少ない
- 求職者に経営理念、方針、社風等を説明していない
- 入社後研修を行っていない
労働条件に問題がある
給与、労働時間、働き方、残業、休日など
- 仕事ができるようになった社員が辞めていく
- 社歴に対して平均勤続年数が短い
- 残業が多い・サービス残業がある
- 身体的、精神的に健康を害する社員がいる
- 同業他社より給料の水準が低い
- 他社と比べて福利厚生が乏しい
- 定期昇給を行っていない
- 有給が取りにくい雰囲気がある
職場の環境に問題がある
人間関係、ストレス、いじめ、対話 など
- 特定の部署の社員がよく辞める
- 特定の社員、チーム、部署に業務が偏っている
- 職場の雰囲気が悪い
- 職場内で告げ口、影口が多い
- 特定の社員をひいきする上司がいる
- 部下を大声で叱責したり、ののしる社員がいる
- 身体的、精神的に健康を害した社員がいる
- パワハラやセクハラの相談窓口がない
企業の風土に問題がある
利益至上、昭和営業、男尊女卑、教育など
- 社歴に対して平均勤続年数が短い
- 上司の言うことは絶対である
- 先輩や上司が帰るまで帰れない
- 成績の低い社員は根性を問われる
- 新人研修以降の教育システムがない
- 研修や勉強会は無給で休日に行う
- 女性社員が定着しない
- 賞与などの評価制度がない
- 育児休業、産前産後休業が取りづらい
人材の定着率を上げるための対策方法
人材の定着率を上げる方法には、主に下記の対策方法があります。
採用のミスマッチを防ぐ
新人がすぐに辞めてしまう企業に多く見られるのが、採用のミスマッチ。「こんな会社だと思わなかった」「求めていた人材とは違った」など、応募者と企業の求めていたものに大きなギャップがあると、早期離職につながります。
採用のミスマッチを防ぐには、求人票、自社HPで、最新かつ正確な情報を伝えられているか、情報漏れがないか、見直しましょう。求人票は、業務内容、事業内容、休暇制度等の項目を、できるだけ詳しく記載するのが効果的。例えば、一般事務とだけ書いてあるものよりも、詳しい業務内容が書かれたものの方が、より具体的に仕事をイメージできるためです。応募者は、自社HPも必ずチェックしているので、職場の雰囲気がわかる画像を載せておくのも良いでしょう。
また、面接回数が少なかったり、面接時の質問に問題があると、応募者のスキルや人間性を見極められないことがあります。充分な選考ができているか、選考方法も見直してみましょう。
労働環境を見直す
労働環境を整えるだけでも、定着率は改善します。特定の社員に業務が偏り過ぎていないか、残業が多過ぎないか、有給の取りやすさ、休暇制度、福利厚生なども、チェックしましょう。育児や介護など、プライベートの変化を考慮するには、勤務スタイルを柔軟にすることも必要です。在宅勤務、フレックスタイム制、時短制度など。これらを導入することで、今までは辞めざるを得なかった優秀な人材の離職を防げる可能性があります。
社内の風通しを良くする
人が定着しない大きな原因のひとつが、社内での対話が少ないこと。新人が上司に相談しづらい雰囲気だったり、対話の少ない職場では、本人が不満を抱えていることや、メンタルや体調を崩していることに気付けなくなります。個別面談や勉強会等、コミュニケーションの機会を増やして、社内の風通しを良くしましょう。いじめやパワハラなど、何かあった時に、気軽に相談できる窓口を作っておくことも大切です。
評価制度を見直す
人材の流出を防ぐには、評価制度を見直すことも重要です。昇給、ボーナス、キャリアアップなど、評価制度がしっかりしていれば、それが「働き続けたい」と思う動機になり、人が定着します。これだけ頑張れば、これだけ稼げる、といった将来性を示すことで、「この会社ではこれ以上、成長できない」といった、離職に多い理由も潰すことができるでしょう。
一方、たとえ給与が充実していても、納得感のない評価では、人は離れていってしまうことも。現在の評価制度が社員のモチベーションに繋がっていない場合は、努力や成果を偏りなく評価できているか、ルールから見直してみましょう。
まとめ:これからは選ばれる企業になることが大切
現在は、終身雇用の衰退や、転職に対する意識の変化により、人材の流動性が高い時代です。社員の定着率を上げるには、企業側が、選ばれる会社にならなければなりません。労働環境などの問題点を改善するだけでなく、「長く働きたい」と思わせる会社づくりを心がけましょう。
たったひとつの素敵な言葉で言い表すことができる。それは楽しみながらやれるようになることである。
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