PAGE TOP

エンゲージメント測定と向上する施策とは?

今まで、勘と経験など定性情報に基づいた人事戦略では、高い実効性を得られにくい傾向がありました。しかし、エンゲージメント測定により、現在の従業員の状況を数値で可視化したことで得られる、定量情報を基に立案した施策によって、人事施策の実効性を高めることが可能です。

「従業員エンゲージメント」とは?

従業員エンゲージメントとは、従業員が企業への理解や信頼を意味する言葉です。従業員が会社への貢献の意欲を持っている状況を示しています。言い換えれば、従業員の愛社精神とも言えるでしょう。近年では、人材不足や個人の価値観の多様化、日本型雇用の変化に加え、働き方が多様化していることから、国内企業で従業員エンゲージメントが注目されています。今後ますます少子高齢化が進むことで、労働人口が減少していく中、企業は優秀な人材を流出しないように工夫することを求められています。長い就職氷河期を終えて終活の売り手市場が続いているいまでは、企業に対し「ミッションに共感できるやりがい」を求めています。

また、コロナなど感染症のまん延の影響でリモートワークが進み、企業と従業員が直接的にコミュニケーションをとる機会が減り、従業員のエンゲージメントを保つことが難しくなってきていることも、エンゲージメントが注目されている要因となっています。

従業員満足度と「従業員エンゲージメント」の違い

従業員エンゲージメントと似たような意味を持つ従業員満足度という言葉があります。従業員満足度は、従業員にとっての居心地の良さに着目した指数です。一方、従業員エンゲージメントは、企業への信頼度の指標です。こらは「居心地の良い会社=貢献したい会社」ではなくため、両方は全く違います。しかし、従業員満足度は定着率の観点からも重要なことですが、企業は、居心地の良さだけを追求していても、生産性の向上や貢献意識には繋がりません。

従業員エンゲージメントの測定で得られる効果は?

従業員エンゲージメントの測定で得られる効果としては、「定量情報に基づいた人事施策」「経営戦略に役立つ人事戦略の実行」「施策効果の見える化」の3つがあります。これら企業が従業員エンゲージメントにより得られる効果について説明します。

定量情報に基づいた人事施策の立案

1つ目の従業員エンゲージメントの測定で得られる効果は「定量情報に基づいた人事施策」です。従業員エンゲージメント測定をすることで、現状の従業員の状態を数値し可視化することができます。これにより、いままで勘や経験など定性情報に基づいて人事施策を立案していたために、高い効果が得られにくい傾向でした。しかし、従業員エンゲージメント測定によって得られた定量情報に基づき施策を立てることで、実効性の高い人事施策を立案が可能になります。

経営戦略に資する人事戦略実行

2つ目の従業員エンゲージメントの測定で得られる効果は「経営戦略に役立つ人事戦略の実行」です。従業員エンゲージメント測定により数値で可視化が可能です。それにより得られた効果に基づき立案された人事施策を実施することで、より大きく経営戦略に貢献できるようになります。

施策効果の見える化

3つ目の従業員エンゲージメントの測定で得られる効果は「施策効果の見える化」です。実行した人事施策が実際にどう影響したのかを、施策前と後でエンゲージメントを測定することで見える化をすることが可能です。これまでも人事施策の効果は数値で確認できなかったため、予算が得られない、提案を通すのが難しいなどの課題がありました。しかし、人事施策の効果を数値で見える化をすることで、高い実行性、正確な人事施策効果、高い納得性などのメリットを得ることができます。

従業員エンゲージメント向上による効果

従業員エンゲージメントの向上を目的として、従業員エンゲージメント測定を実施する企業は増えてきています。では、従業員エンゲージメント向上によってどのような効果があるのでしょうか。主な効果としては、「離職率の低下」「顧客満足度向上」「実績の向上」の3つがあります。これらの効果は、会社を成長させるために欠かせないものです。これら会社の成長に欠かせない効果を得るために、従業員エンゲージメント測定が注目を浴びています。

従業員エンゲージメントの測定方法

従業員エンゲージメントの測定の方法は、大きく分けて「従業員エンゲージメントサーベイ」と「従業員パルスサーベイ」の2種類の方法があります。では、2種類の測定方法の違いについて説明していきます。

従業員エンゲージメントサーベイ

従業員エンゲージメント測定方法の1つ目は「従業員エンゲージメントサーベイ」です。従業員エンゲージメントサーベイは、1年間に1回、または2回程度実施され、センサスと言われるサーベイです。質問の量は多く、比較的大規模な調査です。さまざまな質問によって、現状の根本的な課題の抽出ができます。

従業員パルスサーベイ

従業員エンゲージメント測定方法の2つ目は「従業員パルスサーベイ」です。従業員パルスサーベイは、週次、月次と頻繁に行うサーベイです。脈拍のように短期間で定期的に実施するため、パルスサーベイと言われています。質問の量は少なく、高頻度で測定をするため、時系列の変化の調査や従業員の細かい状態を把握することができます。

従業員エンゲージメント測定で
効果を得るためのポイント

従業員エンゲージメント測定で最大限の効果を得るためのポイントを抑えることが重要です。ここからは、従業員エンゲージメント測定の効果を得るためにポイントについて説明していきます。

信頼関係の構築

1つ目のポイントは従業員との間に、「信頼関係を構築する」ことです。もしも、信頼関係がない場合、「回答内容の信頼性が薄くなる」「そもそも回答してくれない」などの測定以前の問題が発生します。このことで、最大限の効果を得ることができません。そうならないために、日ごろから従業員との信頼関係の構築を心がける必要があります。

メリットを作る

2つ目のポイントは、従業員にとって、「回答するメリットを作る」ことです。一般的なアンケートや調査で、多くの人は何の意味があるのかわからないアンケートや、調査に協力してもらうことは難しいことです。従業員エンゲージメント測定も同じことです。回答することで、従業員にとってどのようなメリットがあるかを明確に伝える必要があります。

継続可能な測定の仕組みづくり

3つ目のポイントは、「継続可能な測定の仕組みを作る」ことです。従業員エンゲージメントは、1回の測定で終わることはできません。継続して測定することで、前回と比較して、どう改善していけばよいのか、新たな問題があるのかなどを把握し続けることができることが重要です。

体制を作る

4つ目のポイントは「体制を作る」ことです。従業員エンゲージメント測定して集まったデータを集計・分析することではじめて従業員エンゲージメント測定を行う意味があります。集計によってデータの傾向を分析することで、より深く従業員の状態を推測することができます。データを取るだけで終わりではなく、集計・分析を行える体制を整えることは重要なことです。

従業員エンゲージメントを向上する施策とは?

従業員エンゲージメント測定をして終わってしまっては、エンゲージメント測定を行った意味がなくなります。測定した結果をどう活用していくかが重要です。測定で得たデータを集計分析し、問題を発見し新しい施策を立案し実行することで従業員エンゲージメントの向上へ繋がっていきます。

情報のオープン化とコミュニケーションの活性化

従業員エンゲージメントを向上させる施策の1つ目は「情報のオープン化とコミュニケーションの活性化」です。何のためにやるのかを理解していないまま働いていても、仕事への意欲を高めることはできません。そこで「社内イントラネットで経営戦略や進捗状況の月次共有」・「四半期ことの集会の開催」などの施策を行い、情報をオープン化し、仕事の意味を知ってもらう機会を作る必要があります。情報のオープン化によって得た情報を基に、自ら仕事の意味をみいだしていくことで、従業員エンゲージメントの向上へ繋がっていきます。

やりがいを作る

従業員エンゲージメントを向上させる施策の2つ目は、「やりがいを作る」です。従業員が、業績向上に自発的に貢献しようという意欲を作るために、例えば「部下の裁量権の拡大」・「1on1による仕事の目的の明確化と共有」などの施策を実施することは重要です。このことで、仕事にやりがいを持ってもらい、従業員一人一人が自律的に行動するようになっていきます。

環境を整える

従業員エンゲージメントを向上させる施策の3つ目は、「環境を整える」です。従業員の働く環境を整えることは、従業員エンゲージメントに大きく影響します。例えば「有給取得がしやすい環境にする」「働く場所や時間が選べるようにする」などの施策を立案し実施することが重要です。このことで、従業員へのストレスを軽減し働きやすい環境を整える必要があります。

成長機会の提供

従業員エンゲージメントを向上させる施策の4つ目は「成長機会の提供」です。これは、従業員が望むキャリアへ進むことができる教育環境や仕事があることで、従業員の成長の促進へ繋がっていきます。例えば「社内公募制度」、「1on1によるキャリア相談」などの施策を立案し実行していきます。

公平性の高い人事評価制度

従業員エンゲージメントを向上させる施策の5つ目は「公平性の高い人事評価制度」です。従業員の給与や昇進に関する人事評価制度に公平感を感じることができる高い評価制度の構築する必要があります。例えば「客観性の高い360度評価の導入」、「明確な数値も目標による評価」などの施策を立案し実行する必要があります。ただ、評価制度は会社によって適不適があるので、自社にとって適した人事評価制度の構築が必要です。

従業員エンゲージメントの向上に取り組み
離職率の低下へ繋げよう

従業員エンゲージメントの向上は、離職率を下げるだけでなく企業の業績向上へも繋がっています。従業員と企業がお互いを理解し、信頼関係を構築できます。このことで、企業側は自社の理念やミッションを、さまざまな形で伝え、従業員とのコミュニケーションの場などを設ける努力が必要です。 個人の価値観の多様化、日本型雇用の変化に加え、働き方の多様化により、従業員は、賃金や労働環境の良さだけを目的として自社にいるわけではありません。従業員エンゲージメントの向上に取り組み、従業員の会社に対する愛着を深めていけば、離職率の低下へ繋がる可能性があります。