リテンションマネジメントの効果的な施策とは?
人材の流出という経営課題に悩む多くの企業が注目している「リテンションマネジメント」。リテンションマネジメントとは、優秀な人材の離職防止の取り組みのこと。具体的には、社員が能力を発揮できる環境を整えるための人事における各種施策のことを指します。
リテンションは「維持や保留、引き留め」、マネジメントは「管理する・取り扱う」という意味があります。単に離職を防ぐだけでなく、優秀な社員に長く活躍してもらうことがリテンションマネジメントの目的なのです。
- 「せっかく育てた人材を手放したくない」
- 「新規の人材採用が困難…」
このような悩みを抱えているマネージャー職、幹部職の方も多いのではないでしょうか。ここでは、リテンションマネジメントの効果的な実施方法についてご紹介します。
リテンションマネジメントの効果的な実施方法には、
優先順位が重要!
リテンションマネジメントを効果的に行うには、優先順位を守ることが大切です。
- 離職防止(衛生要因の改善)
- 優秀な人材を育てる(動機づけ要員の改善)
リテンションマネジメントの優先事項は、離職の防止です。そのため、社員の不満を予防するための衛生要因から改善し、動機づけを行う制度や仕組みを導入します。
リテンションマネジメントの実施方法
リテンションマネジメントでは、最初に社内の現状を把握し、課題を抽出します。その上で、問題のある制度を見直したり、自社に合った対策を行います。具体的には下記の順序で進めていきます。
- 社内アンケートの実施
- 自社の課題抽出・客観的な分析
- リテンションマネジメント(対策)の実施
衛生要因とは?
- 会社の制度:ワークライフバランス、適正な評価、人材配置、休みの取りやすさ など
- 労働環境:労働時間、業務負担、職場環境の快適さ など
- 人間関係:上司からの指導状況、協力体制、社内交流 など
- 給与:業務に対価が見合っているか など
動機づけとは?
- 達成:目標を達成した際のインセンティブ
- 承認:高業績をあげた際の評価や承認
- 仕事のやりがい:教育体制、キャリアパスの明示
- 責任の拡大:キャリアアップ、裁量権の付与
- 昇進:年功序列要素がないか、公平な評価ができているか
まとめ:自社の課題を客観的に分析することが重要
リテンションマネジメントでは、具体的に下記の対策が行われています。
- ワークライフバランスの整った労働環境に改善
- 定着しやすい新人教育を行う
- 階層別に研修プログラムを実施する
- 評価制度を見直し、キャリアパスを明示する
- 定期的な異動や人材交流で、仕事のやりがいを高める など
どんな対策が有効かは、各企業の状況によって変わってきます。そのため、リテンションマネジメントでは、社内アンケートを実施し、なぜ離職に結びつくのか、客観的に分析することが重要になってきます。他社との比較分析などは、自社ではなかなかできないので、ES調査などの外部プログラムを導入するのも良いでしょう。