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企業がESGを意識すべき重要性とは?

ESGとは何か、投資規模拡大におけるESG経営の重要性、メリットや注意点、取り組み方についてお伝えしています。

今後の中小企業の価値を左右する「ESG経営」

SDGsと共に昨今、世界中で急速に拡大しているのが、環境や社会に配慮した「ESG経営」「ESG投資」です。そもそもESGとは、環境(E)社会(S)企業統治(G)の3つの要素を重視する考え方のことを言います。

  • 環境(Environment):環境汚染・生物多様性への配慮、省エネ、CO2排出量の削減努力など、自然環境への配慮。
  • 社会(Social):地域社会への貢献、人権問題・労働環境への配慮など、現代社会に及ぼす影響。
  • 企業統治(Governance):透明性の高い経営を行うことや、資本効率化への取り組みなど、経営における管理体制。

これら3つを重視した経営を「ESG経営」、投資を「ESG投資」と呼び、ESG投資は2006年に国連が提唱して以降、マーケットでもメインストリームとなりつつあります。とくに欧米はESGへの意識が高く、IRでは最初にESGやSDGsについての質問があることも。既存の活動にESGを取り込まないと選考で落とされる、契約が取れないといった流れもあります。

参照元:SDGs経営ガイド_PDF(https://www.meti.go.jp/press/2019/05/20190531003/20190531003-1.pdf

企業がESG経営に取り組むメリット

メリット1:資金が調達しやすくなる

現代の投資家にとって、ESGは企業を評価する重要な基準のひとつです。日本でも、ESG投資の市場規模は拡大していて、2014年からの2年間で投資金額が70倍にも膨れ上がったと言われています。そもそも投資家が求めるのは、企業の未来における価値。企業が語るビジョンが社会の未来像とも合っているか、それを測る物差しがESGであり、SDGsなのです。つまり、今後はESGターゲットを満たす企業に投資家の資金は集まりやすくなり、低金利で資金調達が可能となります。

メリット2:企業価値の向上

環境や社会に優しく、透明性の高い経営状態を作り上げるESG経営を行うことで、自然と企業の価値も向上します。消費者や投資家へのアピールになることで、利益が増えたり、その資金で事業規模を拡大することも。将来的にもさまざまな可能性を秘めているのが、ESG経営なのです。

ESG経営の取り組み方と事例

ESG経営を行うには、少なくとも数年規模の計画が必要です。企業の特性によってやるべきことは変わってきますが、現状評価されているものには下記のような取り組みがあります。

  • コスト削減:エネルギー消費量や水の使用量の低減・節約など
  • 生産性の向上:社員の心身ケア、優秀な人材が集まりやすい環境作りなど
  • 投資や資産の最適化:環境保護への設備投資、環境に悪影響を及ぼす投資の回避、長期投資にも資本を配分するなど
  • 売上の増加:持続性の高い製品の開発・顧客獲得、ESGに関わるコミュニティや政府との関係性の強化など

ESG経営は何か一つを変えるといったものでなく、社内や周囲の環境を地道に改善することが必要です。どんなにエコに力を入れたとしても、目先の利益を重視して持続性の低い製品に投資をしていれば、高い評価は受けられなくなることも…。ESG経営を成功させるには、会社組織や指針などの根本的な部分から見直してみると良いでしょう。