機械設計エンジニアの離職理由と防止策
機械設計エンジニアの技術力は、一朝一夕で身に付くものではありません。いわば職人芸の域にも達している人財だからこそ、企業にとって機械設計エンジニアの離職は青天の霹靂です。
ここでは、優秀な機械設計エンジニアが離職する主な理由、離職を防ぐための有効な方法をご紹介します。
優秀な機械系エンジニアが離職してしまう4つの理由
機械設計エンジニアが離職する理由には、他の業種と比較して特別なものがあるわけではありません。給与面や人間関係、スキルの問題など、自分のイメージと職場の現状との間に乖離を感じることが、機械設計エンジニアを含め、あらゆる職種の人の離職理由に他なりません。
それら乖離から生じる不満や不安を、会社の力だけで全て解消させることは不可能かもしれませんが、経営者・管理者においては、機械設計エンジニアがどのような理由で離職に至るのかを、しっかりと理解しておく必要があるでしょう。
機械系エンジニアの主な離職理由を4つほど見てみましょう。
給与面の不満
どのような職種の人であれ、自分の働きや成果に対して正当な給与が支払われない場合には、その会社で仕事をすること自体に嫌気がさしてくるものです。機械設計エンジニアでも、もちろん同じことです。
会社の将来に向けた投資のため、人件費を抑えなければならないことがあるかもしれませんが、あまり極端に人件費を抑えることは、かえって優秀な人材の流出により会社の衰退を招きかねません。実に単純なことですが、給与面が大きな離職理由になることは、経営者も管理者もよく理解しておく必要があります。
職場の人間関係
機械設計エンジニアの仕事の多くは、他のエンジニアや他の職種の人たちとの協業で成り立っています。協業をスムーズに進めるための前提は人間関係。人間関係の悪い会社では普段からのコミュニケーションが不足しているため、いざ仕事に向かった際、ミスや漏れが生じがちになります。それら失敗の蓄積がストレスとなり、やがて気持ちが離職へと傾いていくこともあるでしょう。
もとより人間関係や職場の雰囲気が悪い会社では、働く意欲自体が低下することは言うまでもありません。
他社でスキルアップしたくなった
機械設計エンジニアの中には、高い成長意欲を持つ人材が少なくありません。その成長意欲に対して十分な環境を用意できなければ、エンジニアは他の環境を求めることにもなるでしょう。
エンジニアのスキルアップは会社の財産にもなることから、会社としても様々な学習環境を用意したいとは考えているはずです。上司はエンジニア各人が望む成長の方向性を理解し、業務や勉強会等を通じて自社でスキルアップを図れるよう導きたいものです。
自身の能力に限界を感じはじめた
機械設計エンジニアの仕事は非常に専門性が高く、かつ新しい技術や考え方をスピード感を持って習得し続けなければ、仕事に支障が生じかねません。
そのような日々を過ごしている中、自分の後輩が自分よりも難度の高い仕事を達成したという話などを耳にすると、ふと自分の能力に限界を感じてしまうことがあります。
かつての年功序列体制がほとんどなくなり、昇給や昇格は実力次第になりつつある現代。このような時代において自分の能力に限界を感じるということは、昇給や昇格を見込めないことにもなりかねないため、中には仕事への意欲減退から離職を考えるエンジニアが出てくるかもしれません。
エンジニアの離職を防ぐ方法
機械設計エンジニアの主な離職理由を4つほどご紹介しましたが、実際には、これらの他にも様々な離職理由があります。ただし、いずれの離職理由であっても、そのほとんどに共通していることか、会社のやり方とエンジニア本人の理想との「不一致」です。
もちろん会社としては、この「不一致」の解消のために大方針から外れたり、例外を設けたりする必要などはありません。ただし、会社の成長の源は「人」であることを改めて理解し、双方の「不一致」の最小化を目指して「人」を大切にした方策を採っていくことが大事でしょう。
機械設計エンジニアの離職を防ぐ主な方法を4つほどご紹介します。
採用時のミスマッチ防止
会社のやり方とエンジニア本人の理想との「不一致」が生じる大きな原因の一つが、採用時におけるミスマッチです。会社が採用したい余り隠し事をしたり、エンジニアが採用されたい余り自分を偽ったりした場合、大なり小なりミスマッチが生じてしまいます。互いに本当の姿をさらけ出すことこそ、ミスマッチを少なくするためには必要となるでしょう。
会社ができることは、まず隠し事をしないことです。実際には実現できない可能性があるにも関わらず、「あなたの希望する仕事を担当させます」などと伝えてはなりません。また、そのエンジニアの本当の希望やスキルを理解するため、詳細にヒアリングすることが大事です。希望やスキルに加え、会社風土に馴染んでいける人間性であるかどうか、性格的な面もよく見るようにする必要があるでしょう。
スキルの正当な評価・給与制度の制定
古い体質の会社の中には、いまだに年功序列に似た風土が残っているところも少なくありません。年功序列の全てが悪であるとは言えませんが、時代の流れに合わせ、スキルを正当に給与面等に反映させる評価制度は設けるべきでしょう。また、特に若い人材に対しては、成長意欲の高さも評価の一つに加えて良いかもしれません。
やる気のある社員や成果を出した社員は報われる、という文化を企業に定着させることは、エンジニアの離職を防ぐ有効な方法の一つです。
定期面談による社員の不安・不満の掬い上げ
会社に対する理想とのギャップが蓄積すれば、エンジニアは会社に対して不安や不満を抱き、やがてストレスが膨らんで離職へと至る可能性があるでしょう。会社は常に各エンジニアの不安や不満を把握するため、適切な手段を講じ続ける必要があります。
そのための有効な手段の一つが定期面談。一定期間ごとに上司は部下の面談を実施し、現在抱えている不安や不満をしっかりとヒアリングします。ヒアリング内容に対して何らかのアドバイスをすることも大事ですが、社員に何かをやらせるよりも、むしろ会社ができることを模索し実行することのほうが、離職防止には有効です。
スキルアップのための教育制度の整備
先に「他社でスキルアップしたくなった」ことが離職理由になると説明しましたが、その背景には「自社でスキルアップができない」という現実があります。機械設計エンジニアには成長意欲が非常に高い人材が多いため、離職を防止するためには、各エンジニアがスキルアップできる環境を自社にしっかりと用意しておかなければなりません。
スキルアップは、勉強会・研修会だけではなく業務内でも実施可能です。例えば、エンジニア本人が望む案件が入れば、会社は成長のための研修の一環として、そのエンジニアを案件チームに加えてみると良いでしょう。適切な案件が入らない場合には、同種の案件が入ったことを想定して勉強会を開催してみれば良いかもしれません。
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